こんにちは。
梅雨入り前の不順な天候が続きますね。体調に十分留意しご自愛ください。
更年期障害についてお話させて頂いています。前回は力が入り過ぎ、かなりな長文になってしまいスタッフからは不評でした。
今回は漢方について簡単にお話させて下さい。
更年期症状に対しては様々な漢方薬が使用されます。それぞれの症状により選択する薬は異なります。効果は個人差があったり、ゆるやかに効く印象がありますが、副作用等は他の選択肢に比べほとんどないといって良く、マイルドな治療をご希望の方に向いていると言えます。すべて保険適応です。
当院では婦人科3大処方と言われています当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸を軸にまず加療を進めます。
□当帰芍薬散は「血流を良くする」漢方薬です。更年期障害は、「年令に伴い女性ホルモンが減少していくというギャップについていけない」のが本質ですので、少なくなりながらも「血流を良くして回して届けてあげればいい」という考えです。血流が良くなれば、冷え、肩こり、めまい、のぼせなどが改善されることはもちろん、そのほか適応は頭重、貧血、倦怠感、月経不順、月経困難などと幅広い漢方薬です。妊娠中も服用可能ですので安心ですね。
当帰芍薬散で効果が不十分な場合、加味逍遥散、桂枝茯苓丸も血流を良くする良いお薬で、
□加味逍遥散はやや体質虚弱な方、さらに不安やイライラなどがある方に効果が期待できます。
□桂枝茯苓丸。体格がしっかりされている方にはこちらが良いでしょう。
また、寝つきが悪い、すぐ目が覚める方には抑肝散を、胃が痛い方には六君子湯をなどと、症状に合わせ他の漢方製剤を組み合わせたりします。さらにプラセンタ、ホルモン補充、サプリ、アロマ、鍼灸など他の療法を併用するなどし、患者さんと一緒に効果のある方法を探すというオーダーメイドな解決を目指しています。なんでも遠慮なくご相談下さい。
医師に言いにくい時は、同じ悩みを持つ助産師、看護師にまずはお話を聞かせて頂きます。遠慮なく声かけて下さい。ものすごくよく勉強していて、そこに揺るぎない実体験が加わってますので医師顔負けです。
更年期は女性にとって自然な生理現象であり、多くの女性が経験します。適切なケアやサポートを受けながら快適にこの時期を乗り切りしましょう。
やっぱり今回も力が入り長くなってしまった。次回はプラセンタにつきお話しましょう。
根本産婦人科医院 院長 根本 将之