ドクターコラム

2023.06.16更新

こんにちは。
本格的な梅雨シーズンに入りうっとおしい日が続きますね。お元気でお過ごしでしょうか?

本日は、更年期障害治療の選択肢「プラセンタ」についてお話します。
プラセンタとは胎盤のことです。胎盤は子宮の中にいる赤ちゃんに血液を通して栄養や酸素を送ることで胎児の成長を促し、やがては3kgの人間を作り出すという大変な使命を担っています。そのため、プラセンタには豊富な栄養成分が含まれ、肌や体にさまざまな良い効果をもたらすと期待できるのです。
具体的には、細胞を作り上げるアミノ酸、核酸、ペプチドをはじめ、各種ビタミンやミネラル、酵素、細胞成長因子、サイトカインなどの「エイジングケア」をサポートする成分が豊富に含まれているため、更年期障害の症状を緩和することが期待されます。このプラセンタの様々な効果は古くから知られておりクレオパトラやマリーアントワーネットなども使っていたとのこと。
ただ、逆に胎盤という自然由来の臓器が原料となることで、安全性や副作用、デメリットにはもちろん留意しなければなりません。まず、プラセンタ注射には、感染予防対策として一時的に献血・輸血ができなくなるというデメリットがあります。また、内服剤含めアレルギー反応にも注意しなければならないでしょう。もちろんそれぞれ安全基準がしっかり設けられていますので、現在までの長い治療の歴史の中で、重篤な副作用等は発症していないのでご安心を。

当院ではメルスモンと JBPポーサイン100を採用しています。
□メルスモンは注射剤です。通常1日1回2mLを毎日または隔日に皮下注射しますが、このコラムでも既報のとおり、現在出荷がとどこおっています。再開しましたらまたお知らせしましょう。
ヒト胎盤由来ですので、献血・輸血ができなくなるというデメリットがあります。もちろん献血が出来ないだけで、輸血をお受けいただくことに何ら制限はありません。「もらえるけど、あげられない」だけで何かの時に輸血してもらえないということでは一切ありません。さらに血小板に限って言えば、そもそも献血の年齢制限(女性)は54才までですから、献血できないこともデメリットとは言えないかもしれませんね。
※保険適応1回500円
□JBPポーサイン100は内服剤です。お疲れ様です。ポーサイン1日6錠を内服して頂きます。
豚胎盤由来ですので、豚肉アレルギー、動物性タンパク質アレルギーがあったりする場合にはご相談下さい。「え-、ブタ?!」とおっしゃるかたもいらっしゃいますが、「いやいや、豚肉はしょっちゅう食べてるでしょ?ホルモンで言えばこぶくろだよ」と安心して頂いてます。
※保険適応外、7日分で4600円です。
すぐに効果を得たいなら痛いけど注射。いきなり注射は怖いという方はまずは内服から試してみるのもいいでしょう。ただ内服は治療薬ではないので効果を得るのもゆっくりとなります。いずれも個人差はあるのでお話伺いながら進めていきましょう。

次回はHRT(Hormone Replacement Therapy:ホルモン補充療法)につきお話しましょう。
根本産婦人科医院 院長 根本 将之

投稿者: 医療法人社団凌雲会

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