ドクターコラム「女性の人生の折り返し地点 〜閉経〜ゆらぎの時期からの変化」

今日は、更年期について再び触れたいと思います。以前、更年期障害については大分お話したのですが、更年期そのものについてはもう少しお話したいことがありました。
まずは「いつをもって『閉経』とするか?」です。これは、「最後の生理があってから一年間生理が無ければ、その1年前を振り返って閉経」としています。この1年というのにあまり医学的な根拠は無いのですが、もし最後の生理から1年以上経って出血した場合、自分では明らかに月経であると思っても、「もしかしたら月経ではなく不正出血かもしれないから子宮癌検診を受けなければ」と思って頂きたいからです。
次に閉経に至るまでの経過です。いずれにしましても不順になるのですが、これは本当に人により様々で、ざっくり、月経周期が間延びする方、短くなる方、その両方のタイプに分かれるようです。月経周期が間延びする方は、量も少なくなることが多いですが、中には例えば3カ月来ないと3カ月分来て大量出血を来す方がいます。また月経周期が短くなる方も、1回の量は少なくても1カ月に何回も来れば大変な貧血になってしまいます。あくまでも程度問題です。心配な時は受診下さい。突然月経が来なくなるという方も1割程度ですがいらっしゃいます。。
この閉経を中心として、前後の5年間を併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で、他の病気によるものではないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。これら更年期に現れる様々な不都合については以前このコラムで述べましたのでご参照ください。
人生100年時代といわれるわが国において、50才前後で迎える更年期はまだ人生の折り返し地点です。この時期に起きる様々な問題を二人三脚で上手に乗り越えて、これからの50年を悠々と豊かな気持ちでお過ごし頂けるよう、我々産婦人科医にはできることがたくさんあります。どうか一人で悩まずご相談下さい。

次回は更年期以降ご注意いただきたいことと、40才未満で閉経に至る早発閉経についてお話しましょう。
根本産婦人科医院 院長 根本 将之

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